詩集「ぼくは十二歳」と出会って


自分自身にとって、大きく感銘を受けた本と出会うことがあると思います。はるるはにとっては、二十六年前に十二歳で自死した岡真史の詩集、「ぼくは十二歳」、がその一冊として挙げられます。中学一年のとき、筑摩書房の小雑誌を読んで初めて知りました。実際に読んだ時の衝撃は大きかったです。あふれる涙を押さえる事は出来ませんでした。この詩集は、私の心にすっと染み込んできました。魂が揺さぶられる思いがしました。あの頃は、自分自身苦しい悩みを持っていました。思春期の時期だったし、自己否定をして一人きりになりたかった部分と、誰かに理解してもらいたい、助けてもらいたいという二つの感情がありました。そのどろどろしていた時に、そこから前へ一歩踏み出せたのはこの詩集のおかげでした。真史さんのお父さんでもある、高史明氏の「生きることの意味」も同時に読み、その2冊は私に多くの事を問い掛けてくれたと思います。ある時は人間の存在を考え、ある時は生きることの意味を考え、生きていくという「生」への目覚めと共に、人間は一人であるという事をはっきり意識づけてくれたのでした。このことが、その後私が大学で、学んでいく専門分野へと導いていったのでした。私にとって「ぼくは十二歳」という本は、大きな転機となった大切な本なのです。そして高氏と奥様の岡百合子さんと中学・高校生の頃にお手紙を数回やりとりがありましたが、それから10数年後、仕事で高氏と直接お会いする機会に恵まれたのでした。私の勤めていた点字図書館で毎年行われる、点字随想コンクールの審査委員として、高氏が来館されたのです。はるるが館内をご案内することになり、実際にお話をする機会が出来た時、きっと運命のお導きかなと思わずにはいられませんでした。

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このページの更新日:2004年02月23日
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